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「女帝アスカムⅥ」完成!!!

お待たせです!!!ついに完成しました♪もうちょっと時間かけようと思ってましたが、勢いだけでいっちゃいました(笑)。副題も決めました。「女帝アスカムⅥ トランスサピエンス・ホルモノイド」です。

第4節、交渉

ヴァレンチーナは、プロフェッサー・N.T.美砕瑠のまるで魔法のような攻撃に驚きつつもあきれたようにアスカムに言葉を投げた。

「どういう仕掛け?あなたは007?・・・それともニンジャ?」

アスカムは、ヴァレンチーナのジョークが気に入った。

「アハハハッ、忍者か・・・それはいい。」

アスカムはそう言って小さく笑うと樹花を見つめた。すると樹花はアスカムの心を読み取って、自分のコートの襟元に内蔵された小型スピーカーの音量を上げた。

「教授、どうぞ、お話し下さい。」

樹花がそう言うと知的だか癖のあるロシア語で人工知能・美砕瑠教授が挨拶を始めた。

「我輩はプロフェッサー・N.T.美砕瑠である。ヴァレンチーナ、我輩は貴女との再会を楽しみに待っていた。」

するとヴァレンチーナは、氷の心を自ら赤い炎で溶かして、懐かしそうにそれに答えた。

「美砕瑠教授、貴方でしたか。こんな悪戯をするのは・・・貴方の忠告を聞かずにウィルスを使ったおかげで私はこんな身体になりました。誰を責めることもできない・・・自業自得です。」

「君はずっと苦悩していた。我輩は結局、君を止める事ができなかった。そう、我輩がスヴェトラーナを発掘しなければ、君はこれほど苦悩せずに済んだかもしれない。我輩は遠い過去に日本で自ら引き起こした或る事件と同じ過ちをまた起こしてしまった。我輩の提唱する精神遺伝学からすれば私は実に罪深い人間の末裔だと言えるかもしれない。全く恥ずかしい限りである。」

「さっきまで、ヤフーッとか言ってたくせに。教授、湿っぽい話はココまでにしましょう。」

アスカムは、二人の会話を制して本題に話を移した。

「女王ヴァレンチーナ、用件は一つです。貴女と同じ方法で私は両性具有の肉体を手に入れたい。どうかTR-810ウィルスを譲ってほしい。謝礼は貴女の望むことでいい。」

ヴァレンチーナが、女帝を見つめる。その心に浮かび上がる青い炎に樹花は悲鳴を上げた。

「駄目よ!アスカム!・・・彼女は・・・あなたを欲しがってる。」

ヴァレンチーナは舌なめずりをし、淫らな感情が渦巻き始めた。そして、その欲望の炎が大きく燃え上がる。

「察しがいいね。お嬢さん。貴女の大切な彼はどこから見ても女の子・・・しかもスーパーモデルも真っ青・・・フランス人形のように美しい。そうね、お嬢さんが察したとおり・・・男として、アスカム・・・あなたを抱きたい。」

さらに、男らしさを誇示するような強い口調でヴァレンチーナは女帝を口説いた。

「私との性交渉によって、私の体内に息づくウィルスをあなたに提供することにもなる。TR-810自体に危険はない。感染したからといって何の変化も起こらない。そのことは美砕瑠教授から聞いているはず。」

女帝は、樹花の女性としての深い悲しみに応えられない不甲斐のない自分自身に憤ったが、冷静に心を保ってヴァレンチーナに返答した。

「教授から聞いているよ。セックスの絶頂の中で死を迎えてのみ、このウィルスは活動を始める。そして、感染した人間は死ぬ前の記憶と人格・・・魂を維持したまま胎児へと退行し、最終的には小さな細胞にまで戻ったところで、再び人間の形へと再生を始め、両性具有人類、トランスサピエンス・ホルモノイドとして黄泉がえる(生き返り生まれ変わる)。」

アスカムの言葉を補うように美砕瑠教授が続ける。

「動物・・・もちろん人間においてもだが生命に危機が生じた時、ホメオスタシス(恒常性)というものが発動される。TR-810ウィルスはヒトの生命が絶たれる直前、このホメオスタシスを限界点まで高めるのだ。いまだほとんどが未知の領域である脳内、特に脳下垂体に働きかけ、未知なるホルモンを引き出すのである。 そして、新たなるヒトの進化が始まる。」

その言葉を払うように、ヴァレンチーナは再び凍てついた氷の瞳で女帝を見つめ大きな声を出した。

「お前は、私と同じ・・・人ではないもの・・・異形となるのだ!それで良いのか!」

アスカムの答えは一つしかない。

「答えは最初から決まっている。貴女の申し出を・・・受けよう。」

樹花は自分の分身でもある愛する同胞が渇望する心の叫びを聞いて、観念したように小さくアクティブ(能動的)テレパシーで呟いた。

(あなたが思うように・・・すべきだわ。アスカム・・・あなたの望む世界を手に入れるために・・・)

その時、樹花の水晶のような美しい瞳から大粒の涙が零れた。
アスカムとの愛は隷属の愛・・・樹花は最初からわかっていたのだ。しかしわかっていても尚、アスカムへの永遠と思えるその恋慕の情は消えようがなかった。

続く。

次回作「女帝アスカムⅦ」では、いよいよアスカムが両性具有化ウィルスによって新人類になるその過程を描いていくことになりそうです。エロティックなシーンは次回にお預けです(汗)。

追伸:とtりあえず、今作に関しては、少し時間を頂いて、修正・改定を加えた上で挿絵を作り、ラヴトピアの小説コーナーに移殖したいと思ってます。






「女帝アスカムⅥ」著者解説。

自作のWEB小説「女帝アスカム」に、ついにお友達のN.T.ミサイルさんをモデルにした人物を登場させることができましたぁ(嬉々)。

その正体は元九州帝国大学、精神病科教授・正木 敬之(まさき けいし)博士であり、今では自らの知能、知識、人格を人工知能(AI)化して、人工衛星に搭載されたそのAIが地上を見つめているという設定です。正木教授は「ドグラ・マグラ」という小説に出てくるので、興味をもたれた方は読書に挑戦してみて。あのね・・・角川文庫版のブックカバーが実にエッチなの(笑)。

「ドグラマグラ」は、大正15年頃、九州帝国大学医学部精神病科の独房に閉じ込められた、記憶喪失中の若き精神病患者の物語であり、「私」という一人称で語られていく。

「私」は・・・九州帝国大学の精神病科の病室で目覚める。記憶を失っており、自分の名前すら判らない。法医学教授・若林博士の言葉によると、呉一郎という人物が起こした二つの殺人事件の謎を解く鍵は彼の失われた記憶の中にあるらしい。そして、次第に「私」は殺人犯・呉一郎本人ではないかと思い始める…。同大学精神病科教授・正木 敬之博士は「狂人の解放治療」なる計画の発起人である。学生時代から常人の理解を超越した言動で常に周囲を驚かせてきたが、この正木教授が事件の真相を知っているのは確かであるのだが、若林博士の言葉によると、「私」が目覚める1ヶ月前に自殺したのだという。

・・・とまあ、こんな感じで話が始まる鬼才・夢野久作の描いた世紀の奇書です。怪奇性と幻想性の色濃い作風で、沼正三の「家畜人ヤプー」と並び称される実に魅惑的な作品です。1935年に刊行されて以来、1988年には映画化もされているし、DVDも出てるみたい。最近ではイーストプレス社の「まんがで読破」シリーズで大胆にもコミック化されています。まずは原作をお勧めしますが、難解な物がつらいという方にはコミックって手は確かにあるかもね(笑)。

「まんがで読破」シリーズは結構、こういった奇書と言われる小説のコミック化に挑戦していて、興味を惹かれますね。カフカの「変身」やダンテの「神曲」もあるみたいです。

ダンテの「神曲」は永井豪の「デビルマン」シリーズや「魔王ダンテ」の中でも描かれていて、ご存知の方も多いかも。忠実にコミックした永井版の「神曲」もあるのでこちらも要チェック!!!






「女帝アスカムⅥ」執筆絶好調!!!第3節入稿なり♪

NTちゃん、ちかたん、応援ありがとです^▽^)/
ヌルハチさんからもメール頂き感謝です!!!
ヌルハチさんの時空を超えるっていうアイディアも今後発展させたいですネ♪

とりあえず、「女帝アスカム」執筆絶好調!!!第3節入稿でっす。第4節はじっくり時間を頂きマース♪アスカムとヴァレンティーナとのエロティックなシーンを妄想中(笑)。

第3節、ドグラ・マグラ

人類の歴史は、概ね男と女という2つの性によってそのほとんどが語られてきた。アスカムは、今まさに新たなるレボリューションを起こそうと思案していた。そう真の第3の性を手に入れ自身がその開祖、始父・・・(いや、始婦というべきか)となり、新たなる勢力を得ようと考えていたのだ。そう両性具有者が中心となって、男と女を分け隔ててきたた既存の社会から完全に独立した自由な世界を・・・性差に縛られないフリーダムを女帝は目指そうとしていたのである。

それには人々を惹きつける大きなシンボルが必要である。アスカムは第一にウィルスによる自身の肉体の両性具有化を実現させようと決めた。第二に「第三の乳房」を得て、両性具有者の頂点に立つ王として自身を神格化するための新たなる肉体美を得ることを考えた。ホルモンの操作により副乳を大きく育て上げ、他の人間との違いを示そうとしたのだ。完全なる異形でありながら、世界中の誰もが美しいと認める存在・・・それが新たなる神の形だとアスカムは信じた。

しかし、アスカムが信じる神の身体を得るに至るには一人の天才科学者の協力が必要であった。
大正末期、九州帝國大学で精神医学を大きく進歩させた正木敬之教授である・・・生きていれば140歳をゆうに越えているはずだが、彼の生死は定かではなく、いまだ生き続け健在であるとだけ・・・アスカムの育ての親、鷲鼻の男の残したネットワークでどうにか知ることができた。

正木教授は、精神医学の進歩の遅れを憂い、治療法がないといって精神を病んだ人々を檻の中に閉じ込めてきた当時の医学からの脱却を図った革新的な人物である。

「腹を痛めた人間と心を痛めた人間に何の隔たりがあるのだッ!」

それが彼の持論であり、口癖だった。

「我輩はそのために理学、工学、医学、心理学、経済学、宗教学、芸術学・・・すべての学問の知識を集約し、新たなる精神生理学、精神解剖学、精神病理学、精神遺伝子学・・・さらには電子科学と精神科学を融合させた精神工学をこの世に作り出してやるのだ!」

当時の社会通念では計り知れないこの風変わりな発想と発言を、誰もが奇行であり、たわ言であると言ったが、正木教授は本気だった。

「この国の未来はわかっておる。ストレス社会の万人狂人の地獄である。もしかすると未来のわが国の首相は、バカヤロウと言って議会を解散させる奇人かもしれないし、漫画しか読まぬ阿呆がその孫かもしれぬ。正常と異常とを分け隔てるのはすでにナンセンスであるのだ。あなたの隣に住む人間が理由もなく人を殺めるかもしれない・・・男に生まれたのに自分は女だと信じ込んでしまう者もあろう、またその逆もあるであろう。これは異常なのではない。進化の過程を超え、すでに神の知識さへも得てしまった人間という種は神の決めた理からもうすでにはみ出し始めているのであろう。まさにこれは堂々巡りの目くらましという他ない。長崎地方の方言で言えば、ドグラ・マグラとでも言うのだろうか・・・我輩はそういう異常とも正常とも区別のつかない世界に住むであろう我らの子孫を救わねばならぬ。」

アスカムは、国立図書館の蔵書の隅で埃を被っていた正木教授の論文の鋭さに共感した。

「人間は母親の胎内にいる10箇月の間に、原始細胞から分裂に分裂を重ね、やがて魚の形をとり、爬虫類のような姿となり、猿の形を通り過ぎ人間の形となる・・・その成長の間に胎児は夢を見るのだ。それは、先祖たちの壮絶なる生存競争の記憶かも知れぬ。またはオスとメスに別れる前の単細胞生物時代の夢やも知れぬ。我輩はオスとメスに生物が分かれてからヒトへの進化が始まったと見ている。行き過ぎた狂った生存競争の行く先は、他の生物を殺戮しつくし、母なる星をを汚し、自身が生き残らんがために逆に自身が破滅へと導かれる阿鼻驚嘆の大絶滅である。よって人類に未来があるとすれば、単細胞時代からやり直すしかない。オスとメスに分かれずに両性を有する神のような身体を得ることが人類の大いなる黄昏を生むのだ。」

これは、まさに不条理な狂人の論理だ。しかし、アスカムはこの狂人の言葉に真理が隠されていると気付いてしまったのだ。だからこそ、アスカムの信じるこの真理と真実のために、この男を何としても見つけださなければならなかった。

「彼こそ、私を神の姿に導く者・・・」

正木教授は、精神を病んだ人々を救う精神医学者であった自分の殻を大きく打ち破り、いくつもの博士号を得て、自身の信じる科学の世界に踏み出した。しかし第二次世界大戦後、人間の進化の謎を紐解くため、太古の古生物が眠るというシベリアの永久凍土を目指し、ソビエト連邦に渡って以降・・・世間から姿を全く消し去ってしまっていた。

そして、アスカムが教授を知ってから、数ヶ月経った或る日、アスカムに一通のメールが届いた。
メールを送ったのは正木教授本人である。アスカムの一方的な思いだけではなく、正木教授自身もアスカムに興味を示していたのだ。140歳の老人の姿を想像していたアスカムだが、教授の正体は全く意外なものであった。彼を正木教授本人と定義付けて良いかさへわからないほど・・・彼は人間という形から逸脱していたのだ。このとき彼はなんと人工知能(AI)として存在していたのである。

正木教授の肉体は高齢ということもあって朽ち果てたが、彼自身の天才科学者としてのその能力によって、人間であった頃の知性と記憶と知識を併せ持った人工知能として生まれ変わっていたのである。アスカムが添付データを開くと自動的にコンピュータにソフトがダウンロードされ、正木教授との回線が開いた。

「アスカム・・・我が名は全能科学者、正木敬之改め、プロフェッサー・N.T.美砕瑠である。」

これが女帝と天才科学者・・・いや全能の人工知能との出会いであった。

続く。






小説は未完のままに・・・

自作小説「女帝アスカム」は未完のまま、現在放置中(汗)。
アイディアが枯渇中であります。
そんな訳で・・・リスペクトする最遠寺近緒さんのWEB小説「激走!まぼろしトラック」を読んだりして、アイディアをひねり出しております。(嬉々)。

『激走まぼろしトラック・霊能トラック野郎とデリSM嬢の物語』
<「S.M.F Unplugged World」2002年9月連載開始~2006年5月終了>
http://homepage1.nifty.com/saienji/futeiki2.htm

「激走!まぼろしトラック」
※リスペクトする最遠寺近緒さんのWEB小説をイメージして勝手に作っちゃいました(嬉々)。クールポコとか言わないように(笑)。チョット、千葉ちゃんっぽい♪







Novel 001 : [ ヴァーチャル・トランス・マシーン ]

お友達のsandass様から送って頂いた作品に 手を加えさせて頂いた共作作品です。※ '04.10.15作成

verciverstand_01a.jpg

舞台は、映画「マトリックス」に登場するような仮想現実の世界。あらゆるセックスを実現するマシンで淫らなプレイに興じる佐緒里。その淫らな獲物を狙っていたのは電脳世界の野獣ハッカーだった。

☓  ☓  ☓  ☓  ☓  ☓  ☓  ☓  ☓  ☓

◆第1節『新宿歌舞伎特別区』

2015年 東京府

プロ野球が東北に新球団を設立し、10年が過ぎ、今や首都が東京都から宮城新都に移転した近未来。東京は、20世紀の名残を残した日本第2の都市として・・・存在していた。 京都が伝統文化を守るように、東京は『近代社会の象徴都市』としての存在意義が求められるようになっていた。新宿歌舞伎特別区は、最新テクノロジーが駆使された広告宣伝の立体フォログラフィーと古い街並みが融合した不思議な風景の中にあった。

歌舞伎特別区、コマ劇場・裏手の路地に入ると、昭和40年代そのままの雑居ビルが林立している。現在はレトロ・ブームであり、この一体にはかつてVHSと呼ばれるアダルトビデオやビニール本が高値で売られていた。そんな昭和の終わりをデザインしたかのような路地裏の雑居ビルに一人の男が入っていく。

男の歩き方・・・いや、その仕草全体に、どこか粘りつくような空気が感じられる。フェロモンというべきオーラだろうか?
しかし、それは、けして女性を惹きつけるものではなかった。中性的・・・それ以上に両性的ともいえそうな容姿は、男性の性欲さへも駆り立ててしまいそうだった。

地下へと続くすえた臭いの篭る薄汚れた階段を下りていくと分厚く頑丈な鉄扉がその女のような男を迎えた。男は、内ポケットから取り出したカードをカードキーに差し込み、キーワードを声紋識別集音マイクに向かって発声した。

「S・A・O・R・I」

その声は、まるで女のように母性的で暖かな声だった。それが、彼女・・・いや彼のキー・ワード・ボイスだった。彼女・・・いや彼は、今から男から女へと変態する儀式へと向かっているのだ。そして、扉は静かに開く。

その内部は、外の風景とはうって変わって最新テクノロジーの宝庫であった。21世紀に入ってから、未だに続くリストラの波で、優秀なプログラマーたちがアダルト・風俗業界へ流れていった為だ。中には幾つかのブースがあり、予約したブース『F-3』が開いている。彼は壁が白く発光するそのブースに入っていく。

「週3回って、やっぱり多いかな。」

佐緒里は独り言のようにつぶやく。

実は、この佐緒里 という男は、一人の男に性的に隷属している。男は野性的で肉食獣のように洗練された肉体を持った同性愛者だった。最初こそ無理やり抱かれたものの、今や、佐緒里にとって大切な「マスター(ご主人様)」となっていた。しかも男が女として生きるという奇異な生活を強いられているのだ。同性愛に身を焦がすとは、それまでは思いもしなかったが、今では生活の最も重要な部分となり、 主(あるじ)の肉を欲しがるメスである自分さへ愛惜しいと感じていた。

(ご主人様は、今週もお忙しくて・・・お会い出来ない・・・身体が疼いて・・・また来てしまった。)

佐緒里は、そんな事を考えながら部屋の中央に向かった。

部屋の中央には大きな純白のソファーが居座っている。左右にがっちりしたアームがあり、 高い背もたれの上にはフルフェイスのヘルメットのようなものが見受けられた。本体の座る部分のちょうど真ん中には、大きな穴が開いている。その穴の奥には男性のモノに似せられたヴァイブレータが収納されている。さらに、ブース内の温度・湿度は、佐緒里の肉体の心拍数や体温といったパラメータに従って調整されていた。

「サイバーヴァーチャルセックススタンド」。
これは、十数年前に大ヒットした映画「マトリックス」に登場するような仮想現実の世界で猥雑なセックスを実現するマシンである。もちろん、離れた場所で不特定多数の相手と性交することもできる。

佐緒里は服を全て脱ぐと、細くくびれたウエストから大きく張り出しているヒップにかけて、愛惜しそうになで回した。そして、頬がかすかに紅潮し、唇が濡れ、軽くまくりあがるように甘い息が漏れる。感じやすく、柔らかい乳首がかすかに堅く充血し始めていた。それは、すでに女性の肌に近いものだった。 ヴァーチャルマシンで女性的なセックスを体験することで、正常な男性よりも女性ホルモンが多く分泌される事が 実際に確認されている。

「なんだか・・・また女性の身体に近づいちゃったみたい」

ソファーの脇にあるリーダーにカードをを差し込むとマシンからブーンという起動音が響く。佐緒里は、ソファーに横たわると右のアームからプラグの付いたコードを1本引き出し、首の後ろに埋め込まれたジャックに挿入すると左のアームに目を移した。アームから、小型のディスプレイが立ち上がり、タッチパネル画面が表示される。個人専用画面が開くと、同時にヘルメットがおりてきて、佐緒里の頭部を覆ってしまった。

画面には「M」「S」「P」「A」 の4つの大きなフィールドがあった。

「M」のフィールドは、もちろんSAORI の隷属するマスター(ご主人様)のデータ。
「S」は、自分自身が享受したプレイを記録した快楽のデータ。
「P」は、マスター(ご主人様)がSAORI に体験させた様々な男性のデータ。
「A」は、その彼らに陵辱された時の出来事を記録したデータである。

佐緒里は「M」のところをタッチし、マスター(ご主人様)のデータをマシンにダウンロードした。すると・・・次の瞬間・・・仮想現実の世界に引き込まれていった。そして、さらに次々とデータが自動的に転送される。佐緒里は、ヴァーチャルの世界で完全に女性の肉体を得て、マスター(ご主人様)の立派なモノを目の前にしていた。

(ああ・・・私が心酔する・・・ご主人様のモノが、お口の中に入ってくるわ・・・)

佐緒里が、舌をからめるとそれはいつものようにすぐに固く、大きくなりはじめ、やがて口いっぱいにひろがり、さらに喉の奥をゆっくりと犯していく。前にマスター(ご主人様)とセックスした時のデータがインストールされているのだ。喉の奥が熱く濡れてくるのを感じながら、さらに口を大きく開き、マスター(ご主人様)のモノを喉の一番奥まで飲み込んだ。唇、舌先、舌の根本の筋肉、喉の筋肉など、すべてを使って、マスター(ご主人様)の大きな筒を締め付ける。

「ああああ~~~ん、ご主人様ぁ~、ずっと欲しかったんです。」

しかし、突然、佐緒里はお尻に吐息を感じて・・・身体が痙攣してしまう。

「なんなの???一体・・・ヤダ・・・・あ・・・あああ・・・」


◆第2節『ハッカーの侵入』

電脳世界は外部とも当然繋がっており、ネットによるセックスも可能だったが、それを良い事に防壁を乗り越えてくるハッカーたちが社会的に問題視されていた。ハッキングの主は、自分のことを「sandass」と名乗った。

「ハロ~~~、アンタ、ボクのタイプだよ♪」

などとふざけたコトを言いながら、sandassは佐緒里を責め始めた。 sandassは、データを転送し始めると、

「試してみてねん♪自信作!!!データはボクちゃんの自慢のセクフレのエルちゃんのだよ♪」

なんとsandass自身のセクフレの「Aホール・データ」もバインドされている念の入れようだった。これで佐緒里はsandassのセクフレだというエルちゃんなる人物と同じA感覚を共有することができる。

エルという人物は、どうやら女性化したアンドロギヌス(半陰陽)であるようだった。 sandassが転送してきたエルのデータは、自分の直腸を意識的に脱肛させて、まるっきり女性の蕾のように拡げ、その粘膜を相手に舐めさせるという滅多にお目にかかれない変態的行為のデータだった。その有り得ないような快楽が佐緒里の蕾を襲う。

「ご主人様ッ、助けて!!!・・・あ・・・あ・・・でもスゴイ・・・もう許して!」

次にsandassは、NT(媚薬)のデータを転送した。時間が経つにつれ多幸感に包まれ、頭に霞がかかりもうどうなっても良いような気分になってしまいそうになる。

<そして、佐緒里は、sandassの舌をAに強制的に受け入れさせられ・・・感じ続ける>

sandassは、蛇か軟体動物のように器用に動く舌と唇で、有無を言わせぬテクニックでかき混ぜ、こねまわし、すごい勢いで奥の方まで強引にこじ開けていく。そして佐緒里のAを吸い上げはじめた。前戯段階のデータをカットして、いきなりフルスロットルで<驀進モード>に突入するように、データをリストラクチャーしてあったようだ。

(sandassのバカバカバカー、ああああ、こんな奥まで?あ・・・開いちゃう・・・あ、いったい何を吸い上げているの?ああ、この男、とんでもないの変態だわ。でも、凄い・・・全部開いちゃう、全部出ちゃうわあああぁぁぁぁぁぁッ!)

強烈な快楽に身を委ねかねない佐緒里に罰をくだすように、マスター(ご主人様)のモノが喉を激しく犯し始めた。喉の奥から女性の愛液のような唾液が溢れ、マスター(ご主人様)の動きに連れて音を立て始める。それがヘルメットの中で反響し、この上ない淫らな音となって、頭の中をいっぱいにした。さらに上下の口を、両方から「あり得ない」と思うほど奥まで深く犯されて、まるで自分の肉体が一本の管になり、その中を全部満たされているような感覚に襲われる。身体は汗まみれになり、口からは唾液がこぼれ、Aホールも開ききって体液があふれ出している。

sandassの遠隔操作により、佐緒里の自由は完全に遮断されてしまっているのだ。さらに、ソファーに装着された小さいアームが出てきて、乳首をつまみ、つねり上げる。ソファーに収納されていたヴァイブレータがホールを貫き、全身にさらに電気が走る。そして、佐緒里は、sandassの遠隔操作で何度も忘我の域に達してしまった。

(あああ、溶けちゃう。佐緒里・・・溶けちゃう。ご主人様ッ!お許しください。)


◆第3節『余韻の中で・・・』

sandassは、佐緒里が絶頂に近付いたことを確認すると、さっさとどこかへ行ってしまった。彼の目的は佐緒里の性感を引き上げることだったようだ。 いきなり、マスター(ご主人様)だけのデータに切り替えられ、マシンは正常に機能し始める。佐緒里はsandassとのプレイで痺れたままの蕾の中に、ようやくマスター(ご主人様)の立派なモノを根本まで受け入れた。太くて長い「それ」は、重く張り切ってヤケドしそうなほど熱く、食道と直腸の粘膜を限界まで押し広げながら、前後に激しく動いた。sandassに散々弄ばれたAホールは感じすぎて、まるで全身を串刺しにされているような感覚に襲われた。

「あ~~~~~~~~ッ」

佐緒里が鳴き続ける暇もなく、マスター(ご主人様)は巨大に膨れ上がったモノを引き抜くと、快楽にひきつり、めくれ上がった唇にその大きくなったモノをこじ入れた。 しばらく、出し入れするとマスター(ご主人様)のモノが弾けて、おびただしい量の液体が体内に注ぎ込まれた。喉の筋肉が痙攣し、1滴のこらず搾り取るように喉を鳴らし、ポッカリと広がってしまったAホールはいつまでも痙攣し続けていた。

佐緒里は混濁した意識から正気に戻ると、自分自身の男性自身からも液が流れ出している事に気付いた。身体を綺麗に消毒された備え付けの脱脂綿で拭き取ると、データを保存してマスター(ご主人様)のアドレスに転送した。隠さずすべてを報告するのがスレイヴの義務だと佐緒里は、知っている。このデータは、次のマスター(ご主人様)とのプレイに必ず反映しなければならないのだ。

この場所に通うことは、マスター(ご主人様)からの命令だったのである。もしかすると、sandassは佐緒里の性感を引き上げるために雇われたマスターの知人の一人であったかもしれない・・・しかし、その事は佐緒里にとっては大した問題ではなかった。

仮想現実の世界で起こったことは現実の身体に見事に反映されてしまう。脳内で起こった出来事が・・・知らず知らずのうちに自身の身体にフィードバックされてしまう訳だ。汗と体液でドロドロになった全身からは匂い立つようなフェロモンが過剰に発散されていた。佐緒里の身体は、また一歩、女性の身体に近付いてしまった。シャワー室に入って全身を洗浄し、火照った身体を冷却すると身支度を整えてブースを後にした。

外に出ると、さっきまでの淫らな行為をとがめるような太陽の光がまぶしい。黄色い光が生々しく感じられ、やはり、自分がやはり男に過ぎない事を佐緒里は実感させられた。しかし、身体の奥から沸き上がる女性的な性感がまだ全身を支配している。

(ご主人様、ごめんなさい・・・私・・・知らない男の味をまた覚えてしまいました。)

そう心でつぶやきながら、佐緒里はレトロな街並みの中を後ろ髪を引かれるように新宿駅に向かって歩いていった。





プロフィール

サオリーナ

Author:サオリーナ
ちす♪ 佐緒里です^▽^)b
オトコに生まれたけれど・・・
御主人様と出会ってすっかりオンナに育てられてしまいました。
愛さへあれば・・・変態でもイイじゃん♪

2003年よりWEBSITE「佐緒里のラヴトピア」<2010年終了>を立ち上げ、それ以来ネットの海を漂っています。

当ブログ・リンクより「画像も貼れるけど語り場的BBS」に跳べます。 コチラの掲示板では楽しく時にはHに語り合いましょ。

※カテゴリ・リンク「マイポートレート・ギャラリー」は私の女装&フェティッシュ写真集となっております。

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